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コラム

2021.12.28

年越しに思うこと

また新しい年を迎えます。
各地の初詣の様子を見ても、この国の“年越し”は特別なものです。みなさん、カウントダウンはどこで、どうやって過ごされるのでしょうか?

旦那さんに先立たれ、一人で紅白を見ながら「昔はこの時間はおせち作りが佳境に入っていて、紅白をゆっくり観る暇なんてなかったなぁ。」と一人暮らしの奥様。

特養のお部屋で「今年もコロナの制限があって孫たちは部屋まで上がって来れなくて寂しい。来年はどうだろうか?」と職員に話す御婦人。

一人アパートで「もう長生きしても楽しい事なんてなさそうだ。昔は家族ほったらかしで、年末年始は仲間と一緒に毎晩騒いでたものだ。」と懐かしみながら、また明日ヘルパーが来るのを待つご主人。

「また一年、年を越せた」という思いと、「また一年、年を越すのか」という思いが、全国の特養、老健、グループホーム、サ高住、有料老人ホーム、そして在宅にあふれます。
私たちは「新年おめでとうございます。また新しい一年が始まりますね。どんな一年にしましょうか?」と、新しい物語にご一緒させて頂く気持ちで寄り添いたいです。

スマホを取り出して、グーグルマップでその方の故郷の景色を表示して、毎年必ず初詣に行っていた神社まで画面の中を一緒に歩いてみませんか?
スマホの画面に映った若い頃に過ごした故郷の、今の景色を眺めながらその神社に向かい、参道を歩いてお参りすることが出来る時代になりました。テレビに繋いで大きな画面で楽しむ事もそんなに難しくはありません。

「長生きしてもいいこと無かったな」と思われているのなら「長生きも悪くなかったですね」と声を掛けたいです。せっかくですからテクノロジーの進歩には乗っかりましょう。
若い頃に過ごした町並みが、今どうなっているか?あの神社、あの河原、あの学校、あの会社、あのグランド、あの海、あの蕎麦屋…。スマホさえあれば誰でもタダで体験できるのです。
「長生きした甲斐があった」「まぁ長生きも悪くはなかったかな」って思ってもらえるチャンスです。

今の紅白を観ても、知ってる歌は一つもないからつまらない。そうでしょう。私でさえ若い人達の流行りにはついていけなくなってきました。
これもスマホ一つで解決します。大好きな歌や、贔屓にしていた歌手のヒット曲は、YouTubeで当時の動画をいくらでも観ることができます。それが知らない歌手だったら、その人のことを教えてもらいましょう。そしてその歌が流行った時の物語を聞かせてもらいましょう。

「私、スマホの操作とかそういうの苦手だから出来ないのよね」
そんな職員の方も多いでしょう。自分のためにやるのではないです。利用者のためにやるのです。本当にそんなに難しくないです。スマホを持ってさえいれば誰にでも出来ることです。スマホはご自身の老後の支えにもなり得る道具でもあります。

新しい年を迎えるにあたり、誰かを支えるプロである介護職員にとって、自分のためにスマホなどのIT機器に触れることは、誰かの人生の最後のほうを豊かなものに出来る力にもなります。ちょっと頑張ってみませんか?新しい笑顔に出会えますよ。

社会福祉士 板垣慎司

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