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コラム

2021.04.22

介護の現場は人間関係が悪い?

「介護の現場は人間関係が悪い」

よく言われる言葉です。介護労働安定センターの調査でも「離職理由」の第一位は、"職場の人間関係"となっています。

本当にそうでしょうか?

「人が3人集まれば人間関係のバランスは崩れる」と言われます。人間関係の問題にどう対峙するかは、1対1の関係なら"折り合う"か"諦めるか"の2択となり自分がとるべき行動はわかりやすいです。これが3人になると2対1の関係が生まれて1のほうが辛くなります。4人になると2対2ではまだバランスが取れていますが3対1になると状況は少し悲劇的ですね。

介護の現場は少ないところでは7〜8人のチームだったりしますので、2つのグループに分かれて、その中でまたバランスを取るわけです。職員が多い職場でも、それくらいの人数でチームを組んでいきますので、介護現場は決して大集団で働いているわけではないという事になります。

だから人間関係が悪くなる。

そうでしょうか?それは介護の現場だけでしょうか?

何千人も社員がいるような他の産業の大きな会社でも、実際に働いているチームはやはり少人数です。そこには人間関係に苦しんで「もう辞めようか」と悩んでいる人もいっぱいいます。

ではどうして介護の現場では人間関係に特別な感情が湧くのでしょう?

それはやはりそこで働く人たちのパーソナリティが大きく影響していると思います。

介護の現場には、基本的には思いやりのある"優しい"人達が働いていると思っています。相手に否があっても「力が足りないのは自分で、私が何とかしなければならないのではないか?」と悩んでしまう。だからこそそういう人が介護の仕事に向いているのですが、その感情と向き合いながら進むことに疲れてしまうんです。

大きな会社には定期人事異動があって、もう少し我慢すれば環境が変わるかも?というモチベーションが少なからずあります。小さな介護事業所ではそれを望むことができない場合も多くあります。

ではどうすればいいのか?

まず自分の立つべき位置を認識して、そこにしっかり立つことが大事です。

「この人の笑顔を見たい」「この人の苦しみに少しでも寄り添いたい」「"ありがとう"と言われる自分に出逢いたい」…。

どんな職場でどんな仕事をするか?ではなく"自分はどう生きるか?"

「それが叶えられる職場はここではない」と決めてしまう前に、自分の立ち位置をもう一度確認して、よく考えた上で、それでも「今の環境には自分を輝かせる可能性がない」と判断した時に行動を起こしても遅くはありません。辛い時に「辛いです!」と大きな声で手を上げられることは、この仕事を続ける上では大切なことでもあります。

社会福祉士 板垣慎司

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