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コラム

2020.12.17

バイスティックの7原則 ③個別化の原則

バイスティックのケースワークの7原則の3つ目です。

③個別化の原則

そのまま読めば何となくわかりそうなものですが、改めて説明しようとすると奥が深いのがこの原則です。

私たちは経験と知識があればあるほどケースを類型化しがちです。「独居で生活保護の方」とか「片麻痺で認知症もある方」「どこのデイサービスに行っても続かない方」など、自分自身の過去の経験や、他のケースからの類推などで対応方法をパターン化してしまうのです。特に、過去にうまく対応できたケースなどと同じ対応をしてしまいがちですね。

「こういう方なら、前にも担当したことがある。同じように対応すればいいんだ」というのが類型化です。しかし、クライアント(利用者)はそんな風に自分を類型化されたいとは誰も思っていない、そんな態度が信頼関係構築の壁になっているんだ、とバイスティックは言っているのです。

クライアントは“一人の人間として”扱って欲しいと思っているだけではなく、“特定の一人の人間として扱われたい“と感じているのだ、という視点が大切なのです。このようにケースを類型化しないことに気を配ろうとすると、これが意外と難しいものです。

こういう病気で、こんな薬を飲んでいて、週2回デイに行って、朝と夜にはヘルパーが入って…。ケアプランだけ見れば似たような人はたくさんいるでしょう。

でもその方が、小学校の校長先生だったのか?営業バリバリのサラリーマンだったのか?何かを作る職人さんだったのか?嫁姑の関係はどうだったのか?地域の合唱団で歌うのが好きだったのか?自分の親をどう看取ったのか?・・・

趣味や好き嫌いだけではなく、それぞれの人にはそれぞれの"物語(ナラティブ)"があり、他の人とは違うその方のオリジナルの物語に私たちも参加させていただく、という個別的なアプローチが大切だということを知っている事が大切なのです。経験を積むにしたがって類型化しがちな対応に気を付けて、“個別化”を常に意識しておく態度が専門的な援助関係の構築には必要な態度だ、というのがこの原則です。

医療ガイドラインに沿って多くの人に効果のあった適切な治療や処置にベストを尽くすお医者さんとはまた違う視点で、個別的なアプローチができるのは、介護職の強みでもあります。

社会福祉士 板垣慎司

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