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コラム

2020.12.03

バイスティックの7原則 ②秘密保持の原則

バイスティックのケースワークの7原則の2つ目です。

②秘密保持の原則

これは読んで字の如く、ご利用者や家族の情報について「秘密を守る」ということですが、そもそも個人情報保護法を遵守すべく、みなさんも強く意識するようになっていると思います。

しかしバイスティックは、法的・倫理的義務に加えて、クライエント(利用者)が援助者(介護職)を信頼して全ての気持ちや感情を伝えることができるような専門的援助関係を作るために必要な態度だ、と言っています。我々も、口が軽そうな人には秘密を打ち明けたりしませんもんね。

では口が堅いだけでいいのかというと、それは違います。「第三者に伝わったら嫌だろうな」と自分自身で想像できるような事柄は大切に扱って秘密にするという、自らの感性と姿勢が問われる原則でもあるのです。

秘密には、次の3つの種類があります。

①「末期がん」などの既往症や「身内の自殺」など常識的に考えて秘密となるようなもの

②相手に「これは秘密にして下さい」と言われたもの

③“秘密にするかどうか”の判断を相手から委ねられたもの

個人情報保護法で定義されている“個人情報”を法に照らして正しく取り扱うだけではなく、援助者はクライエント(利用者)との対話の中から、その情報をどう取り扱うかを判断しなければならない場面があります。同意書をもらってるから大丈夫、というだけではない専門的な援助関係を作りやすくする態度がこの原則で示されているのです。

利用者の中には、自分が介護サービスを受けていることを近所の人たちには知られたくないという方もいらっしゃいます。例えば、訪問介護で在宅にお伺いする時、玄関でインターホン越しに「こんにちは、〇〇ヘルパー事業所の○○です!」などと大きな声で言われたらどう思うだろうか?嫌じゃないかな?といった想像力を働かせる事が大事なのです。

「お伺いする時には、インターホン越しにどのように名乗ればよいですか?」と事前に確認するだけで、相手は「ああ、この人は信頼できそうだ」となります。このような態度を取ることで、クライエントとの良い関係作りのスタートを切ることが出来るのです。

“専門的な援助関係”を構築するには、このような態度をとることが大切だというのが、この「秘密保持の原則」です。

社会福祉士 板垣慎司

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