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コラム

2020.09.01

コロナ禍でのリスクと活動

感染予防に細心の注意を払いながら、しばらくは、ウィズコロナと呼ばれる社会で、私たちは高齢者を支えていくことになりそうです。

ウイルスに絶対に感染しないために、できるだけ外に出ず、人とも接触しないことにして、家に閉じこもってしまえば、筋力は低下し、社会との繋がりも失われ、廃用症候群へ向かうことにもなります。どこまで注意し、どこまで自粛し、どこまでの活動を維持しなければならないかは、特に高齢者にとっては判断が難しいです。

しかしこれは、どこまでリスクを取って利用者の希望を叶え、本人が過ごしたい暮らしを実現するかという事と似ています。そうです、私達はこれまでも、どこまでをリスクとして許容し、どこに安全確保の線を引くかということをやってきました。そこに専門性を発揮してきたのです。

新型コロナが猛威を振るうことによって、これまでの転倒リスクや、誤嚥リスクなどの様々なリスクに“感染リスク”が加わったということになります。とはいえ感染症対策は、ノロ対策やインフル対策など、これまでもやってきました。では感染予防の基本動作を徹底することだけで十分でしょうか?新型コロナはインフルエンザなどとは異なり、薬やワクチンがまだ無く、高齢者が重症化することが、このリスクを大きくし、評価を難しくしています。

しかし、「転ぶから歩かせない」「むせるから食べさせない」のと同じように、「感染するから活動させない」というだけでは、リスクを評価した上でのサービス提供とは言えません。そのことをわかっているだけにもどかしいのです。

正しいリスク評価を行えるように、ウイルスに関する研究が進むことを祈りながらも、最善の感染対策をしつつ、利用者の希望に寄り添う姿勢は持ち続けなければなりません。そして何より、私たちは自分自身も守らなければならないのです。

デイサービスで仲間や職員に会うことが唯一の楽しみだった方が、事業者や家族など、誰かから利用を自粛させられてしまった時の本人の気持ちや、ヘルパーが来てくれることを待ちわびていた方に「しばらくお休みさせてください」と伝えなければならない時の相手の思いに寄り添いたいです。

利用者本人の願いを叶えるために、何が出来ることで、何が出来ないことかをアセスメントして、どんなリスクに対処すべきかをこのコロナ禍で見定めるには、もう少し時間がかかるかもしれません。それでも、電話でコミュニケーションを図ったり、リモートでリハビリに参加したり、テレビ電話で面会したりと、やらないよりやったほうがいい事はまだたくさんあるはずです。

社会福祉士 板垣慎司

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