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コラム

2020.08.03

「すみません」ではなく「ありがとう」を

介助している職員が利用者に「あ、すみません。」
利用者が職員に「いえいえ、すみません。」

介護の現場でよくある光景です。

職員は何か失敗をしたのでしょうか?一方で利用者は職員に対して日頃から「申し訳ない」という気持ちを持たれるのかもしれません。しかし利用者に「すみません」と言わせてしまうのは、何か謝らせているみたいで変ですよね。
本人は丁寧なつもりで言っているのかもしれませんが、介護職員が「すみません…すみません…」と言いながら介助をしてしまうと、利用者はどんな気持ちになるでしょう?

介護職はどのような時も「ありがとうございます」という声掛けをしたいものです。
‎介護保険サービスには自己負担もありますし、利用者はお客様でもあるのだから、お礼を言うのは当然といえば当然ですが、利用者に「ありがとう」と声を掛けることには、他にも大きな意味があると思います。

『まだまだ若輩で未熟な私の介護技術ですが、お受けいただいてありがとうございます。』
『これからひとつひとつ経験を積んでいく私に、お手伝いをさせていただく機会を与えていただきありがとうございます。』
『こうやってお手伝いをさせていただく事ができたあなたとの“出会い”にありがとうございます。』

認知症でコミュニケーションが難しくなっている利用者さんにとってはどうでしょう。「すみません・・・すみません・・・」と言いながら接するよりも、「ありがとう」と声を掛けるほうが、穏やかな表情に出会うことが出来ると思います。
人は、「ありがとう」という言葉を掛けられるということで、“誰かからお礼を言われる自分でいる”、という役割を無意識のうちに認識します。年齢を問わず、この小さな積み重ねが「私は私でいい」という尊厳の保持に繋がるのだと思います。

人は誰でも謝られるより、お礼を言われた方が嬉しいですし、謝るより笑顔で「ありがとう」と言う方が気持ちがいいです。
そして、利用者から「ありがとう」と言われた時は、心から「こちらこそありがとうございます」と笑顔で応えられる関係作りを目指したいです。介護とは、提供するものでも、受けるものでもなく、人と人が作る“関係”なのですから。
「たくさんの"ありがとう"を頂ける」のは、この仕事の喜びではありますが、「たくさんの"ありがとう"を言っている自分に出会う」という経験を積めるのもこの仕事の尊さです。

社会福祉士 板垣慎司

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