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コラム

2020.06.08

無資格者が訪問介護に従事できる特例について

新型コロナウイルスの流行を踏まえた介護サービス事業所の運営基準などの特例をめぐり、無資格の人が訪問介護サービスを行うことができる、というものが議論を呼んでいます。
「介護保険最新情報Vol.823」によると、訪問介護では、「新型コロナウイルスの影響で人材を十分に確保できない場合は、ホームヘルパーの資格(初任者研修の修了)を持たない職員にサービスを担わせることができる」と明記されています。
厚労省はこれまでの通知(Q&A)で、無資格の職員による訪問介護について「柔軟な対応をして差し支えない」と説明。この特例が認められるケースとして、「通所介護が機能しなくなって急にニーズが拡大した、ヘルパーが発熱して休まざるを得なくなった」などを例示していました。

今回の通知(第10報)では、「この例示の場合に限らない」とし、「新型コロナウイルスの影響でヘルパーを確保できない場合であれば、幅広く認められる」との解釈を示しました。
そもそも人手不足が深刻な訪問介護業界ですので、目の前の利用者を支えるためであれば個々の事業所が臨機応変に判断して構わない、という認識を改めて明確にしたものとなっています。
あくまでも新型コロナ対策に伴う一時的な措置という位置付けとなっており、また誰でも訪問介護に従事できると言っている訳ではなく、厚労省は訪問介護を任せられる無資格の職員について、以下の2つを要件として設定しています。

  • 他の事業所などで高齢者へのサービス提供に従事したことがある人

  • 利用者へのサービス提供に支障がないと認められる人

この通知により、救われる利用者は少なくありませんが、一方で業界の一部からは否定的な見解も示されています。無資格の人が訪問介護を担うことを許してしまうと、訪問介護員の専門性に対する認識が薄れてしまい、将来的に無資格の人が訪問介護を行うことができるという道筋を付けてしまうのではないか?というものです。

しかし、今は緊急事態の真っただ中であり、サービスが必要な人への支援をできる限り続ける必要があります。現在の運営基準では、例えば同じ法人のデイサービスに腕のいい介護職がいたとしても、資格がないために訪問介護の応援に入ることができません。そもそも「通所介護サービスは無資格でも担える」という基準自体にも課題がないわけではありませんが、今回の特例は、このような具体的要望に応えるために用意されたもので、厚労省は、上記の2つの要件を満たすものとしており、全くの素人が訪問介護を担うことを認めたわけではありません。

一方で、これまで議論されてきた軽度者の総合事業への移管や、生活援助サービスの介護保険からの切り離しについては、今回の対応結果が参考にされることはあるかと思います。
新型コロナが収束した後には、訪問介護サービスを提供するにあたって必要な専門性について改めて議論されることになるでしょう。その時に備えて、私たちはより高い専門性を身に付け、求められるに値する存在になれるよう意識しておきたいです。

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